『愛と歓喜の数式「量子モナド理論」は完全調和への道』(初刷)をご購入された方へ - 2023.07.04
父、芹沢光治良、その愛
生涯を文学に捧げた作家・芹沢光治良の素顔と、慈愛に満ちた人生をたどりながら、薄れゆく昭和を回想できる珠玉のエッセイ
著者・編者・話者・翻訳者など | 野沢 朝子 著 |
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ジャンル | 小説・エッセイ > 小 説 日本文化・アート > 思想 哲学 |
出版年月日 | 2020/04/01 |
ISBN | 9784896344134 |
判型・ページ数 | 四六・248ページ |
定価 | 本体1,700円+税 |
在庫 | 在庫あり |
生涯を文学に捧げた彼の実像と、慈愛に満ちたに人生をたどりながら、いつもそこにあった「愛」を感じ、薄れゆく昭和を回想できる珠玉のエッセイ。
今なお多くの人の心に寄り添い、魅了し続けている芹沢作品ですが、近年は若いアニメファンにも注目され、ファンの裾野が広がっています。
本書は、親子水入らずで一家団欒に興じる姿や、将来に悩む朝子氏に送った書簡など、これまで語られることが少なかった素顔が垣間見られる、文学的に大変貴重な記録でもあります。
はじめに―病みてよりこころ弱りて山荘に父の香のこる机待ちてあり
I
見上げ暗き夜道はとめどなく東京逃れよくぞ歩きぬ
娘(こ)ら四人飢ゑたる日々の戦の日いかに耐へしや吾(あ)の父母
あたたかき父の手添ふる病床にもみぢ燃え立ち吾はめざむる
山を下り共に生きなむ茶室から肩を寄せ合ひ明日にむかひて
自然の深き青葉に抱かれて心なごみて遠き日思ふ
ほがらかにあかるく動く姉なりき幸せうすく世を去りにけり
元旦に突然羽ばたき飛立ちぬ歌に送られエンゼルに守られて
わが姉の命ながらへ生くるとも満ち足らぬまま耐へて生きなむ
意思強き友のえらびた人生は世俗はなれて神一筋に
あの日から頼り頼られ慎ましく初心忘れずわが家築きぬ
休みなく働きつづけ逝きし夫(つま) 老いて楽しむゆとり知らずに
娘(こ)の奏すバイオリンの曲に拍手なる胸に沁み入る忘我の余韻
わが娘(こ)への譲れぬ愛にかたくなな悲しきバトルよくぞ越えたる
純粋な童女のごとき母なりき家族を愛し縁のした支ふ
美しき天の調べに包まれて実相の世界よりもどらぬ父
きよらなる山荘丸ごとわが宝緑溢れて吾を迎ふる
死ぬ日まで煙草求めしわが夫(つま)と諍(あらそ)ひし日の悔いを残しぬ
II
祈り
感謝
頑張って!
大切に生きよう
風よ
弱きもの
第二章 導かれるままに
1神をめぐって
2播州の親さま
おたすけ
戦争を経て
人が神
晩年―朝日神社
播州の親さまと天理教
親さまの教え
3存命のおやさま
チベット
4聖母マリアさま
グアダルーペ寺院―褐色の聖母マリア
奇蹟のメダル―愛徳姉妹会聖堂
ルルド
ヌベール
ファチマ
秋田の催涙された聖母像
聖母マリアの家
聖母マリアのチントーラ
5聖母アンマのダルシャン
6母なるものに支えられて
7宗教について
8死について
9晩年の父
10『芹沢光治良戦中戦後日記』
おわりに
娘へ 芹沢光治良