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 「神妙の妙味」
どんな風が吹くのか、安寿は経済の理のある所へと再び上京した。新宿のロッカーにボストンバックを放りこみ、身軽になって高層ビルの底を歩いた。光の反射に挑戦して伸びをした。 大都会を呑みこんで街そのものになった気持。人の洪水の中をみなぎり迸る(ほとばしる)力で泳いだ。ビルの谷間のでこぼこ穴に衝き当たり、もぐら叩きをするように挙を握った。 「寝ぐら捜しはもぐら叩き」 「寝ぐら」と「もぐら」首を振り振りふりこの気分。土地が切り詰めたギュウ詰めのアパートが建てこんだ東京の片隅に「何とかなるわいな」ともぐりこんだ。 「経済大国うさぎ小舎」 布団を買ってその日の内に住みつく小半日のエネルギー。自立の一歩は経済が先、金儲けの信仰から始まっている。…………(続く)
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