シャンバラを知り、いつの日かシャンバラ人と出会い、地上もシャンバラもへだてなく。

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ライオンをひとつかみ。人を乗せて大空へ。
アフリカにつたわる伝説の神の鳥、「ガアガ」が甦る。いま、ファンタジーの世界へ旅立つ。
「それはな、顔はハゲ鷹のようで、目は鷲、首から胸は竜か大蛇か、足の爪は鋭くとがり、からだの大きさはキリンなみ。色は鴉のように真黒で、胸の部分に白い斑点、その足の力は、サバンナにいるライオンを軽々と持ち上げるという力持ちで、その鳴き声は、月が夜空にのぼるころ、一羽のガアガが、ガアガ、ガアガと鳴きだすと、どこにおるのかいっせいにたくさんのガアガがガアガ、ガアガと鳴きだすそうじゃ。それはそれは悲しい不気味な鳴き声じゃったと。」

目次 本文70%
Copyright (C) 2007 明窓出版, All rights reserved






















   推薦の言葉
●●●●●推薦の言葉の中身●●●●●

































  まえがき

●●●●●まえがきの中身●●●●●

























     もくじ






(一) サバンナ
(二) 洞穴の謎
(三) ブンドウキでの戦争
(四) 市場にて
(五) 椰子の実
(六) ダンギ族の伝説
(七) ガアガ調査隊
(八) 洞穴の卵
(一) サバンナ




























 ここはアフリカ。とっても暑い。太陽がガンガン照りつける、乾き上がった川の畔。アフリカでは年に二回雨季と乾季がやってきます。今は乾季の終りごろ、一番暑い時なのです。しかし木影に入ると、心地良い風が、さわやかに吹いてきます。空には白い綿雲が、四つ五つと続いて東へ東へと流れています。近々雨季に入るのでしょう。乾き上がった川の一部、かろうじて水のある溜り場では、女の人たちが洗濯を。その横で子供たちが水遊びをしています。


 六十歳を過ぎたと思われるナムーニ老人は、一本の大きな年老いた椰子の木の根元に座っていました。村の衆からは、ムゼー(老人)と呼ばれています。
 今、その前にはナムーニの三人の孫たちが座っています。十三歳になったゲムーニと、十歳のナカーニという男の子、それに七歳になったばかりのオコーノという女の子です。

 ナムーニが孫たちに語り始めました。
「今から五十年くらい前のことじゃ。わしが十歳の時、今とまったく同じように、同じ場所で、おまえたちのところにわしが座り、わしがいるこの場所にはわしの爺ちゃま、キマンニ爺様が座っていたんじゃ。そしてキマンニ爺様が語りだしたんじゃが、それは爺から孫へ、代々語り継がれてきたことを、爺様から、わしに語り継がれる日だったんじゃ」
 ナムーニは五十年前のことを思い出しています。

 キマンニ爺様が語り始めます。
「ナムーニ、おまえの生まれはこのダウラ村だが、わしや、おまえの父さんの生まれは、ここから、ずっと北の山のむこうの、サバンナだったんじゃ。そして、そのサバンナの中にある、岩山の洞穴で生活しておってな。サバンナの近くには、山や森や、川や湖や、砂漠もあってな。サバンナの洞穴では、わしや、わしの爺ちゃまのブルンニや、ヤヤンニ父さん、ワイダ母さん、兄ちゃん、姉ちゃん、それに弟たち、それから、おじさん、おばさんたちと、みんなで十五、六人はいただろう。いつも、いっしょに暮らしておったんじゃ。
 近くの、ほかの洞穴には、部族の仲間たちが、おおぜい暮らしていて、困ることはなに一つなかったもんじゃ。近くの山や森では、春には春の、夏には夏の、木の実や果物がふんだんにあって、いつでも腹いっぱいくっていたんじゃ。婆様たちは、山や、ブッシュや、サバンナで、木の実、草の実、木の葉から根っこまで、ありとあらゆる食べられる物を集めて、食料にしておったんじゃな。それに、岩にはえる苔や虫、木の葉、草の根などをつぼに入れ、塩や水と発酵させた酒などを混ぜ合わせ、なににきくのか、一生懸命、薬を作っておったんじゃ。
 また、毒草から液をしぼり取り、動物や鳥を獲る時に矢に塗って使う、毒液も作っておったんじゃ。男たちは食料になる動物を獲ったり、悪い奴らと戦っていたが、女の人たちも、みんな、働いておったんじゃ。川の魚は、欲しい時にいつでも獲れる。乾季の時は、川の水が少なくなった場所で、みんなで川に入り、麻薬でしびれる液を出す小枝で川面を叩いたり、かき混ぜながら、浅瀬に追いやる。あとは、欲しいだけ手づかみじゃ。いくらでも獲れるぞ。大きな魚だけ小枝に通しておいて、あとは鳥たちにあげるんじゃ。必要な時必要な獲物を必要なだけしか獲らんのじゃよ。それからな、ちょっと遠いが砂漠があってな、そこでは乾季になると、秘密の場所で塩ができるんじゃ。その塩を掘り起こし小さく切って、遠くの村まで、背負って運んでいったもんじゃ。わしが大人になってからは、北の湖のところから、パピルスの船に乗せ、湖の対岸の村まで売りに行ったんじゃ。
塩だから、水に濡れ
ると溶けてしまう。
塩を椰子の葉で包み、
それをさらに毛皮
で包んで、パピル
スの船に乗せて運
ぶんじゃ。村につ
くと塩と毛皮を全
部売って、欲しい
物を買ってくるん
じゃ。物々交換じゃな。
塩の取れる場所は、一族
の者以外絶対秘密じゃ。

 そしてサバンナでは、狩じゃ。
 さっきも言ったように、欲しい時、必要な動物だけを狩るのじゃよ。今はな、見つけた動物をなんでも殺してしまうがな、あれはいかん。必要な物だけ獲ればいいんじゃ。それに仲間が襲われた時は別じゃ。人間を襲った動物は、また襲うからな。ライオン、チーター、象やバッファローもそうだ。ハイエナ、ジャッカルもだ。ワニもそうじゃ。ワニの中で魚を捕る場所からいつまでも動かん奴がいる。ワニを獲る時はな、鳥の肉をイボイノシシの上あごの骨で作った釣り針に引っ掛け、蔦で作ったロープに結び、上流から流すんじゃ。ちょっと待っていると、ワニがパクリと肉にくいついて、蔦のロープがピーンと張り、右へ左へ、みんなでロープを引っ張る。そして最後は槍でとどめを刺す。ワニは肉もなかなかウマいもんじゃが、いちばんは皮じゃ。大事な大事な宝物じゃ。ていねいにはぎ取る。同じ方法でナマズも捕るんじゃ。二メートル近いのが捕れることもある。これの肉もなかなかのもんじゃ。皮も、使い道がいっぱいあって、大切なもんじゃ。
 それからな、おもしろいのは、サバンナの獣道に、穴を掘るんじゃ。落とし穴じゃな。穴を掘って枝を乗せ、木の葉をかぶせ、泥を乗せ、草を敷き、最後に糞を乗せ、でき上がりじゃ。でき上がった時に、まちがって穴に落ちた奴もおった。時には槍を刺して毒液を塗る時もある。怪我はするし、死ぬ人もおったんじゃ。ライオン用の穴に、象が落ちて、メチャクチャに壊されたこともあったしな。失敗の方が多いんじゃよ。ライオンたちのハンティングと同じでな、十回やって一回成功すれば、よい方じゃよ。それと同じなんじゃ。
 わしらはな、狙った獲物を見つけるとみんなで追う。獲物は逃げる。先回りしてまた追う。逃げる。追う。ある時ははうようにして、獲物も疲れて休む。それを狙って矢の届くところまで近づいて、合図でいっせいに矢を放つ。また逃げる。そしてまた追う。運よく一本でも矢が当たれば、シメたものだ。矢の先には婆様たちが作った、毒液がタップリと塗られているんじゃ。毒液は時間がたつときいてくる。足元からシビれてきて、走れなくなる。見失ったらたいへんだ。ハイエナやジャッカル、はげ鷹に横取りされてしまうからじゃ。槍の届くところまで近づいて、最後はやっぱり槍じゃ。小さな獲物は、槍に通してかついで帰るが、大きい獲物はその場で解体して、肉と毛皮に分けて、みんなでかついで帰るんじゃ。もちろん、その時には、ジャッカルやハイエナたちのために、内臓や骨は残してくるんじゃ。天の恵みはみんなで分け合うもんじゃからな。

「かっこいいね」ナムーニ少年は言いました。

「かっこなんか、ちいっともよくねえよ。生きるのに、一生懸命なんだよ。おおぜいの人たちが、けがをしたり、死んだりしているんじゃ。子供たちもいっしょになって、狩をすることもあったんじゃよ」
「へえ、どんな時?」
「それはな、大きな象やキリンやバッファロを狙う時じゃ。子供たちは、みんなのあとからついて行き、獲物を見つけると、ふたてに分かれて追い出すんじゃよ。大声をあげて、ヤッヤッヤ。ダッダッダ。獲物を一方へ追い出すんじゃ。あとは大人たちにまかせて、走る、走る、走る。わしはな、狩の名人じゃったんだぞ。わしの指図で、みんなが、右から追ったり左から追ったり、矢を構えて、待っている人の方へと追いつめる。そして矢を放つ。運よく当たれば、あとは槍じゃ。象でも、ライオンでもみんなで狩をすれば成功するが、ひとりではだめだ。危ない。もしサバンナで、ライオンと出会ったら逃げることじゃ。しかし背中を見せたらいかんぞ。走ってもだめじゃ。静かに静かに落ち着いて、槍を構えて後ずさりじゃ。ライオンは、そういう時は、襲ってこない。もし襲ってきたら、構えている槍で戦うだけじゃ。勝つか負けるかじゃ。

 ある時、ブッシュで人を襲ったことのあるライオンを追いつめた。しかしブッシュの背が高く、見つけにくい。みんなで輪になって進んだ。『ガサ』、目の前の草が小さくゆれた。草の合間から、ライオンの目、牙をむき出している。驚いた。ライオンも驚いている。たがいに動けない。目と目は、にらみ合ったままだ。ライオンはさらに牙をむき出した。わしも腰を落とし、槍を構えた。そこでわしには考える余裕ができた。ライオンには、あの毒矢が刺さっている。時間がたてば麻酔がきいてくる。勝てると思った。と、その時、仲間の連中がライオンを見つけ、槍を投げた。と同時に、ライオンが飛んだ。わしにむかって。地面に片膝をつけ、槍尻を地面に、槍先はライオンにむけていた。ライオンはその槍先に『グサッ』、前足はおれの肩口に、『ドサッ』といっしょに倒れこんだ。槍は喉元に突き刺さり、槍の柄は真中で、真二つにおれ、わしの肩口には、ライオンの爪跡が三本。ライオンは地面に倒れて動かない。『勝った勝ったぞ』。わしの肩の傷跡が、あの時の勲章じゃよ。
 だが、失敗もいっぱいあるんじゃ」
「どんな? どんな失敗なの。爺チャマ」
「うーん。あのな、森のいちじくの木に、おいしい実がいっぱい、なっておったんじゃ。その木の上にブッシュ・モンキーの一群がおってな。その中のボス猿を驚かせてやろうと、狙いをつけて、足場をかため、弓に矢をつがえ、狙いを定め『放つ』とその時、猿の小便が顔に『ピチャ、ピチャ』。猿たちは、キャッキャッと声をあげ、いっせいに枝から枝へ。その小便の臭いこと臭いこと。二、三日は消えなかったぞ。完敗じゃ。遊びで動物を狙ったりしちゃいかんのだ……。まだあるぞ」
「なに? なんなの?」
 ある時、サバンナの岩場でハイラックスを追いつめると、巣穴に逃げ込んだ。一方の出口はわかっている。そこに狙いをつけ、弓、矢を構え、待った。すると、出てきた、出てきた。立ち上がり、背のびをしてまわりをキョロキョロ、わしを見つけ、距離があるのを確認し、手をあげて、オイデ、オイデをしているようだ。ばかにしているんじゃ。弓に矢をつがえ、狙いをつけるが、途中の小石が邪魔になる。もうちょっと右か左へ動いてくれ。ハイラックスは全神経を、わしの方にむけている。と、その時、上空から一羽の鷲が急降下した。延ばした足の爪でハイラックスを一気に引っ掛け、一転上空へ。下におるわしにむかって、あざ笑うように首を左右に振って、大きく旋回し飛んでいきよった。横取りされてしまったんじゃ。

 子供の時は、失敗ばかりじゃったよ。
 そんなサバンナの生活で、いろんなことを学んだんじゃ。生きるためにな。草や木や鳥や動物、虫からも。風や水、土や砂、雲や雨や太陽からも。季節、季節で変わる大自然から知ることを、ブルンニ大爺から教わったんじゃ」



 あ、ゴメンナサイ。立ち読み部分はここで終わりなんです。ここまで読んで下さって有りがとうございます。
 このあともっと面白くなりますから買っていただけるとすごく嬉しいです。 

























 あとがき

 ●●●●●あとがきの中身●●●●●
























 著者プロフィール

●●●●●著者プロフィールの中身●●●●●





















本の誕生秘話

 ●●●●●本の誕生秘話の中身●●●●●























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