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大きなしあわせは待っていてもやってこないよ。
あなたの足もとにほら、ちいさなしあわせがいっぱいかがやいている。
秋田のタウン誌から生まれたちょっとしあわせになれるエッセイ集。

目次 本文70%

あとがき 感想BBS 著者profile 
Copyright (C) 2007 明窓出版, All rights reserved













 
         ●●●●●著者名●●●●●著





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                                   明窓出版



















   推薦の言葉
●●●●●推薦の言葉の中身●●●●●

































  まえがき

●●●●●まえがきの中身●●●●●

























       目 次





雪日和
KENWOODがやってきた
桜を待つ
育てるヨロコビ@
育てるヨロコビA
富士見大橋にて
ありがとう、ラモス
川の匂い、川の音
珈琲のかおり
碧いビー玉の夜に
三十路へいらっしゃい
最後のダイエット
思い出のおにぎり
夫というもの
夢があれば!
古き商店街よ、再び
ランチで会いましょう
光るめだか
朝のバードウォッチング
めざせ有閑老婦人
幸運の神様
真夜中のドライブ
こぼれた塩
歌って、踊って!
へそくりのススメ
本の虫
懐かしの雪祭り
私の部屋づくり
疑惑のまなざし
今晩のおかず
週末は映画三昧
あんちことね
また会おう
山あり谷ありの庭づくり
チビとクロの話
人生、アミダくじ
そとは吹雪
ちょっと上から見てごらん
愛するパワー
平凡でかけがえのないもの
あとがき




























vol.1
雪日和
 やっぱりここは雪国だった。朝から降り止まない雪をぼんやり見ながら、小さなため息をつく。少し残念と、少し不安が半分ずつ。十二月のあの穏やかな小春日和はどこに行った? 乾いたアルファルトに陽が降りそそぎ、木の枝にはまだ散り残った葉と赤い熟した実が秋の名残りをとどめていたのに。あの晴れわたった青空は昔、とても好きだった風景を思い出させてくれた。
 それは東京の冬景色である。東京の冬と言っても結構寒い。海から吹いてくる風が、ビルの谷間をヒョーヒョーと鳴きながら関東平野を吹き抜ける。でも空が青いから、平気だった。子供の頃、荒れ狂う吹雪の中を息を詰まられながら学校へと歩いた、あれに比べれば全然楽勝!「わたしは秋田の女よっ」と、心の中で胸を張って風に向かって歩いた。公園に降り積もった落ちを踏んで、ガサガサいう音を楽しんだ……。
 この十二月は久しぶりにそんな冬を楽しんでいた。天気が良ければ外に出掛け、街路樹の栃の木の葉を踏んでみた。乾いた大きな葉がバリバリッと鳴った。日陰では水たまりが凍っていた。これも踏んでみた。ミシミシ、バリバリと鳴って割れた。次から次へと割って行きたい衝動に駆られたが、人目があるので我慢した。子供の頃は良かったな、人目を気にすることもなく道草を食ってのんびりだらだら歩けたから、なんて思いながらコーヒーを買いに行った。途中知っている人に出会って「どうも」と挨拶を交わしたり、そんなちょっとしたことが穏やかな冬を実感できてふと幸せを感じたりしていた。
 暖冬と言われても、雪の少ない冬はあったが、雪のない冬はなかった。雪のない冬をどうやってすごそうか、散歩もいいし、自転車にも乗れるし、公園のベンチにも座れるし、などと夢が膨らんでいた。……それがである、やっぱり雪はやって来た。
 雪が積もってすっかり秋田の冬らしくなった正月休みのある日、冬期間、地元の人は入村無料ということなので、子供たちを連れて「ふるさと村」へ行ってみた。冬でも全館暖房が効いていて、暖かである。この中にいれば一安心、と思っていたら何と、子供たちはお祭り広場で遊ぶというのである。お祭り広場はドーム劇場の前、つまり外である。前々から雪合戦がしたいと言っていたから、少しやらせようかとドアを押して出て行った。
 子供たちは犬のように雪をこいではしゃいでいる。もちろん誰も外に出る人などいないので雪はまっさらで足跡ひとつない。足跡で絵などを描きながら別の入口に向かった。長靴の雪をほろって、やっと中に入るやいなや「わんぱく広場」の案内が目に入った。矢印を辿って行くと、何と、またもや外である。「わんぱく広場」は丘の上のアスレチックのことだった。子供たちは私のことなどおかまいなしに滑り台のはしごを昇り、さながら小型ブルドーザーのように雪もろとも滑り降りて来た。おなかのところに雪をいっぱい抱えて……。
 ズボンが濡れないように雪をほろうのに忙しい私は、つまらない大人だということに気がついた。子供の頃、友達と一緒にソリに乗り、わざと新雪に突っ込んで埋まって大笑いしたことを忘れていた。ふかふかの雪の上に、並んで「せーの」で大の字にバタリと倒れ、空を見上げたときの気持ち! いつもの風景はどこかへ行ってしまい、空と雪だけがしーんと静まりかえっていた。今度あれをもう一度やってみよう。もちろん濡れないようにスキーウェアをしっかり着て。カッコよくスキーやボードで滑ることはできないけれど、子供たちに混ぜてもらって雪と戯れてみよう、とささやかな決心をした。

※ ほろう……払う


vol.2 KENWOODがやってきた

 自分で言うのも何だが、私は音楽好きである。決して音楽「通」ではない。ただただ、好きなのである。なぜこうなったかと言うと、子供の頃から今に至るまで、私にはテレビのチャンネル権がなかったからだと思う。子供の頃はテレビは父親のものであり、常に野球中継や大相撲や「すばらしい世界」などが映されていた。それはそれなりに素晴らしくもあり、感動する場面もあったが、居間での用事が済むと早々に自分の部屋に行き、すぐにラジカセのスイッチを入れた。そうして狭い部屋を音楽で満たして、本を読んだり、手紙を書いたり、編み物をしたり、考え事をしたり、何時間も過ごした。寝る時も音楽を聴きながら。朝起きたらまた音楽を聴く。大人になっても音楽は私にとって三度のご飯と同じくらいの必需品で、結婚する時もむろんステレオを持参した。
 そんな私に、音楽を聴けない辛い日々がきた。子供が生まれたのである。寝る時間もままならず、音楽どころではない。ステレオは子供のおもちゃにならないよう、高い所に避難させられ、何年も過ぎた。そして子育ても一段落した今日この頃、久々にステレオのスイッチを入れると、「ガリガリ」という大音響。置き去りにされたステレオはサビつき使い物にならなくなってしまっていた。

 あ、ゴメンナサイ。立ち読み部分はここで終わりなんです。ここまで読んで下さって有りがとうございます。
 このあともっと面白くなりますから買っていただけるとすごく嬉しいです。 


















 あとがき

  ある日、遠くの友人が訪ねて来ました。この街で有名な「焼きそば」の食べ歩きをするのが目的でした。何軒かまわり、日も暮れて、最後に暖簾をくぐったホルモン焼きそばの店は、一杯の酒で週末を癒すために集まったおじさんたちでいっぱいで、座る場所は無いように見えました。いつもならばすぐに諦めて他の店に向かうところですが、その日は遠方からのお客が一緒だったので、評判のその店の焼きそばを食べてもらいたくて諦め切れず、もう一度暖簾を分けて覗き込んだところ、「席なば、あるど、みんな、詰めろ」と一人のおじさんが言い、それに応じてカウンターに座った全員が一つずつ席を移って、私たちの座る場所を空けてくれたのでした。
 あとから来た人のために席を詰めたりすることは良くあるけれど、お客の全員が一斉に移動するのは見るのは私も初めてのことで、驚きながらもそのご親切に感謝し、お礼を口にしながら席に着きました。おそらくほとんどの人が常連客だったと思われるのに、店主もお客さんも見知らぬ私たちを温かく迎えてくれたのでした(常連客の多いこじんまりした店では、新顔はなかなか入りにくいところもあるんです)。お陰様でおいしい焼きそばを御馳走することができた上、見知らぬおじさんとの会話も弾み、普段はなかなか味わえない家庭的な雰囲気の中でなごやかな数時間を過ごすことができました。      後略    











































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