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はやばやと『優良図書選定』の指定をを受けました。

「……どこかに行けば、ほんとうにあんな広い草原があるのかしら?あるとした ら、どうしても行ってみたいな。象がくらすのは、ああいう広い草原が、一番いい んじゃないかな。こんな、せまい小屋でくらすのは、どう考えてもおかしい……」
遠い遠い国、アフリカを夢見る子象の花子は、おばあちゃんの元へ帰ることができ るのでしょうか。
山元加津子さん絶賛「今、天外さんが書かれた新しい本、「花子!アフリカに帰 っておいで」を読ませて頂いて、感激をあらたにしています。それは、私たち人間 みんなが、宇宙の中にあるこんなにも美しい地球の中に、動物たちと一緒に生きて いて、たくさんの愛にいだかれて生きているのだと実感できたからなのです。」

前書き 目次 あとがき

本文70% 感想BBS 著者profile 関連書籍


Copyright (C) 2007 明窓出版, All rights reserved













天外伺朗絵・柴崎るり子著





花子アフリカに帰っておいで





明窓出版



















推薦の言葉
●●●●●推薦の言葉の中身●●●●●

































まえがき

●●●●●まえがきの中身●●●●●

























もくじ


山元加津子推薦文「心はいつもアフリカにつながっている」 3
1北国の子象 9
2かつ子ちゃんとの出会い 24
3花子のゆめ 38


4エレナおばあちゃん 54
5お父さん、まきこまれる 78
6かつ子、テレビに出る 90
7別れ 108
むすび 124


























1北国の子象


空から、なにか白いものが、はらはらと落ちてきました。
「アッ、雪だ!」
象の花子は、あわてて立上ると、おりの外へ鼻をのばそうとしました。ところが、「ガチャ!」と大きな音がして、花子の体は止まってしまいました。
「イテ、テ、テ」

花子の右の後足が、とても太いくさりで、ゆかにつながれています。いつもそれをわすれて動こうとして、いたい思いをしているのです。

くさりでつながれているために、花子は体をいっぱいにのばし、鼻をのばしても、鉄のおりには、とどきません。
「つまんないの……」
花子は、雪にさわりたくてしかたがありません。もう、ここに来て、三回目の冬をむかえようとしているので、雪のことはよく知っています。雪がはらはらと落ちてくるようになると、とても寒い冬という季節がやってくること。そして、地面がまっ白におおわれてしまうこと。

 

 

 

 

 

 


花子は、寒い冬は苦手でしたが、雪は大好きでした。白くて、ふわふわして、きれいだし、雪がふってくると、世界が清められるような気がするからです。前に、ふぶきの時、小屋の中まで雪がふきこんできて、鼻の先でさわると、しゅっととけて無くなりました。それが、とても不思議で、おもしろくて、またやりたかったのですが、今日は、どうやっても雪にさわれません。
「ああ、寒い……」


花子は、また小屋のかたすみにうずくまって、おりの外にふる雪を、じっと見ていました。
花子が生まれたのは、東京の近くの大きな動物園でした。そこは、小屋の外に大きな運動場があり、運動場と観客席との間に、深いみぞがありました。小屋のドアが開いていれば、花子たちは、いつでも自由に運動場に出て、遊ぶことができました。もちろん、くさりでつながれる、なんてことはありませんでした。


花子は、最初に運動場に出た日のことを、とてもよくおぼえています。それは、生まれて、一週間目の日曜日のことでした。
「今日は、みんなが花子を見にくるからね。運動場に出ないといけないよ」
と、お母さんは言いました。しいく係のおじさんの話だと、花子が生まれたことは、新聞やテレビに大きく出た、ということでした。もちろん、そのころの花子は、新聞もテレビも知りませんでした。
「さあ、みんな待ってるからね。外に出ようか」


お母さんは、そう言うと、先に小屋から出ていきました。お母さんに続いて外に出た花子は、びっくりしてしまいました。みぞの向こうの観客席には、ものすごい数の人間がいて、花子が出ていくと、いっせいにはくしゅをして、さけびました。
「はなこー。おめでとーう」
あまりにもその音が大きかったので、花子はくるっと後をむいて、小屋の中に、にげこもうとしました。それを、鼻でやさしくおしもどして、お父さんが言いました。
「花子。こわがることはないよ。みんな、おまえが生まれたことを、喜んでくれているんだよ」
それから、しばらくの間、花子はお父さんとお母さんといっしょに、その動物園で楽しくくらしていました。
ところがある日、お父さんとお母さんが運動場にいる間に、花子は小屋から出され、トラックに積みこまれてしまいました。
「プルルー。たいへんだー!お父さん、お母さん!たすけて!」


花子のさけびに、お父さんとお母さんは、あわてて小屋にもどろうとしましたが、ドアはぴったりしめられており、入れません。
花子は、トラックの上で、四本の足をくさりでしばられてしまいました。くさりをつなぐ時、しいく係のおじさんは、泣いていました。

花子も、トラックが走っている間中、泣いていました。トラックの荷台は、おおわれていて、外は見えなかったのですが、夜がきて、また朝がきたようでした。最後は、ものすごい悪い道を、何時間も走りました。花子は、トラックの床にうずくまっていたのですが、ガタン、ゴトンとゆれるたびに、あちこち体をぶつけ、いたさと、悲しさと、両方のなみだを流しました。

 

 

 


やがて、トラックがとまり、花子はこの小屋に入れられました。入ったとたんに、またガチャリとくさりでつながれました。ここは、前にいた小屋より、はるかに小さく、しかも運動場がありません。花子は、くさりがのびるはんいで、二、三歩ずつ歩くか、首をふるぐらいしか運動ができません。じっとしていると、どうしても、お父さん、お母さんや、別れた日のことが思い出されて、なみだが出てきます。

 

 

 

 


「お父さん、お母さん、はやく会いたいよーう……」
今も、おりの外にふっている美しい雪を見ながら、花子は別れた日のことを思って、なみだがとまりませんでした。
「花子!寒かんべェ」

 

 

 


そこへ、しいく係の小林さんが、両手にかかえきれないほどのわらを持って、入ってきました。寒くなると、花子のベッドのわらを、いっぱいふやしてくれるのです。
花子は、小林さんが大好きです。もし、小林さんがいなかったら、さびしさと、悲しさで、とっくの昔に死んでいたかもしれません。

 

小林さんは、いつも長ぐつをはいて、毛糸のぼうしをかぶっています。夏には、ぼうしをぬぐこともありますが、毛が一本も無く、つるっぱげです。その様子が、お寺のおしょうさんににているので、みんなは「小林おしょう」とよんでいます。


小林さんは、めがねをかけていますが、めがねのおくの小さな目がいつも笑っています。
「小林さんは体は人間だけど、目は象と同じだ……」
と花子は思っています。小林さんに会うと、花子は元気がわいてきます。

 

 

 

 

 


「ま、元気だせや」
そう言うと、小林さんは、花子の頭や首を手のひらでぴたぴたとたたいてくれます。その感じは、むかしお母さんが鼻でやさしく花子にふれてくれた時と、同じでした。


2かつ子ちゃんとの出会い


象の花子がいるところは、とても動物園とはいえないような、小さなしせつです。「ヘルス・センター」という、大きな建物があり、そのうらに、いくつかのおりがあるだけです。花子と、ライオンと、トラが人気です。その他は、馬とか、ロバとか、あまりめずらしくない動物もいます。

 

 

 

一つだけかわっていることは、すべての動物が子どもだということです。子象と、子ライオンと、子トラがいる、ということで人気を集めました。

 

花子がきたころには、日よう日になると、動けないほどのお客さんが来ました。この近くには、他に動物園がないので、「ヘルスセンター」にとまっている人だけでなく、ずいぶん遠くから見に来る人もいました。

 



ところが、だんだんお客さんの数がへってきました。一年たつと、トラがいなくなり、そのおりには猿が入れられました。

 

 

二年たつと、ライオンがいなくなり、そのおりには、いのししが入れられました。今や、人気ものは、花子だけになってしまいました。
世の中の景気が悪くなってきた、と小林さんは言っていました。ヘルスセンターにとまりに来るお客さんの数もすごくへったので、月よう日から金よう日までは、花子を見にくる人は、ほんの二、三人になってしまいました。土よう日、日よう日でも、せいぜい三〇人どまりです。


「もうちょっとするとなぁ。花子は、もっと広いところに行けっかもしれんなぁ」
小林さんは、ちょっとさびしそうに笑いました。花子は、この三年の間にずいぶん体が大きくなったので、ますます、この小屋がきゅうくつになってきました。だから、広いところにうつるのはうれしいのですが、そうかといって小林さんと別れるのはいやです。

 


 

 

 

 

「あっ。かつ子ちゃんだ」
花子は、とつぜん耳を広げました。アフリカ象の耳はとても大きく、すごく遠くの音でも聞き分けます。かつ子ちゃんは、まだ三百メートル以上はなれたところを歩いていたのですが、花子の耳は、ちゃんとその足音を聞き取りました。

花子が立上って待っていると、やがて赤いランドセルをしょった、おかっぱ頭の小さな女の子がやってきました。少女は、花子のおりの前に立って、右手を上げて、左右に三回ふって、それから「にーっ」と笑いました。花子も、鼻をまっすぐ上げて、左右に三回ふってほほえみました。


これはしばらく前から、花子とかつ子ちゃんがしている、ひみつのあいさつです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


かつ子ちゃんが、初めて花子に会いにきたのは、まだここが、ものすごくにぎわっていたころでした。お父さんと、お母さんといっしょにきたかつ子ちゃんは、おりのすぐ前で、ずーっと花子に手をふっていました。


「かつ子、もう帰ろうよ」
お父さんが言っても、お母さんが言っても、かつ子ちゃんはなかなか、おりの前からはなれませんでした。




あ、ゴメンナサイ。立ち読み部分はここで終わりなんです。ここまで読んで下さって有りがとうございます。
このあともっと面白くなりますから買っていただけるとすごく嬉しいです。


















むすび


前作『大きな森のおばあちゃん』を書き終えた直後に、山元加津子さんから『あふりか!たんぽぽノート』という著書をいただきました。
山元さんは、幼いころから、まだ一度も行ったことのないアフリカの夢を、繰り返して何度も見てきたそうです。そして、念願かなって、ようやくアフリカに行ってみると、実際の景色やシーンが、驚いたことに夢の中で繰り返して見てきたのと、そっくり同じだったということです。
人間の山元さんでさえそうなんですから、動物園で生まれ育って、そこしか知らない象が、アフリカの原野を走る夢を見たとしても不自然ではないでしょう。そのアイディアと、山元さんが子供のころに見たという、ヘルスセンターの小さな檻の中で、鎖につながれた象のイメージが重なりました。
そうしたら、たちまち全体のストーリーが湧いてきて、すぐに夢中になって書き上げたのがこの童話です。 後略

二〇〇三年四月八日
天外伺朗
























著者プロフィール

天外伺朗

1942年兵庫県生まれ。
本名・土井利忠、工学博士、ソニー(株)上席常務。
東京工業大学電子工学科卒業後、ソニーの研究所で先端技術の研究・開発に携わる。フィリップスと組んだコンパクト・ディスク(CD)の共同発明者、またワークステーションNEWS、およびエンターテイメント・ロボットAIBO、ヒューマノイド・ロボットSDR-4Xなどの開発の責任者をつとめた。その経験を生かして技術評論、人材開発論にも健筆を振るう。97年より、理想的な死に方につながる光り輝く日々を追求する人たちのためのネットワーク「マハーサマーディ研究会」(TEL:03-3269-1760)を主宰。

著書
『大きな森のおばあちゃん』(明窓出版)
『意識は科学で解き明かせるか』
『「超能力」と「気」の謎に挑む』(以上、講談社ブルーバックス)
『深美意識の時代へ』(講談社)
『ここまできた「あの世」の科学』
『未来を開く「あの世」の科学』『般若心経の科学』(以上、祥伝社)
『意識学の夜明け』(風雲舎)
『宇宙の根っこにつながる人びと』
『宇宙の根っこにつながる生き方』(以上、サンマーク出版)
『宇宙の根っこにつながる瞑想法』『心の時代を読み解く』(以上、飛鳥新社)他多数。
ホームページ
http://www.mahasamadhi.jp

柴崎るり子

群馬県生まれ。(おうし座・O型)
女子美術短期大学卒業後、セツモードセミナーで風景画・イラストレーションを学ぶ。グループ展、企画展を経て、1995年よりフリーのイラストレーターとして書籍、広告の仕事に携わる。

絵本
『大きな森のおばあちゃん』(明窓出版)
『ぽんちとちりん』『ぞうのこどもがみたゆめ』(作/志茂田景樹KIBABOOK)他






















本の誕生秘話

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関連書籍の紹介

『大きな森のおばあちゃん』(明窓出版)この本の姉妹編です。























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