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天外司郎著/柴崎ルリ子画
  税込1.050円   01年12月刊    

  読者感想文
  中野の駅ちかくに「圭」という旨い食事を出す店がある。月に一度、そこで会合がある。 何度目かの時、主催者が私の向かいに座った可愛い子ちゃんを紹介した。その子、柴崎るりこさんは、恥ずかしそうに「これ、わたしが描いたものです」といって小さな絵本のようなものを見せた。見ると、なんと、奇抜な衣装とウーロン茶のコマーシャルで一世を風靡した直木賞作家の志茂田景樹との合作ではないか! ウーン、これは素晴らしい……と感嘆久しい私に主催者が追い打ちをかけてきた。 「よその出版社から出た本に感心ばかりしてちゃ仕方がないじゃないですか。いま思いついたんだけど、彼女と誰かほかの有名人とのコンビでこれと同じノリの本を作ったらどう?」 私はいちころで乗ってしまった。 「明日でも明後日でもうちにいらっしゃい。じっくり話し合いましょう」。

彼女の反応も早かった。3日後には明窓出版で私の前に座っていたのだ。 ちょっぴり不安げな彼女に、はったり半分でえらそうなことを言ってしまった。 「どんな有名な作家さんでも、ご本人が潜在的に『こんな本を作りたい』と思っている企画を持ち込めば“よくぞ声をかけてくれた”と大喜びしてくれるはずです。そうなると、大作家ほど出版社の大きい小さいは気にしないものです。僕も考えてみますから、るり子さんも、誰に当たってみるかここは一つ大きく考えてみてください」 彼女の綺麗な瞳がみるみる潤んできた。感動してくれたらしい。 私もなんだか胸が熱くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  10日ちょっと過ぎた頃だったろうか。彼女から、OKの返事がもらえた作家さんとして天外司朗先生の名前がファックスされてきた。 「やったー!」真っ先に喜んだのが編集長の麻生だった。 恥ずかしながら私はその時点では天外先生の名前を知らなかった。ソニーの重役で、あのロボット犬の発明者だということは勿論知ってはいたが同一人物だとは知らなかったのだ。 本にする作業がガンガン進んでる最中にどっきりする話を投げかけられた。
「このストーリーを話してくれたアフリカ在住のダフニー・シェルドリックさんの財団に30万円ほど寄付してほしい。そのうちの10万円については自分達の印税から差し引いてもいいから」 天外先生のご託宣だ。 「必ず売れるから……絶対売れる本にするから……」 我が社の経理重役を必死に口説いて財団に送金。意気込みを神様が褒めて下さったらしく評判は上々である。

 

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